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新潟港からカモメに見送られ約2時間半。キャノンデール・ジャパンのサポートクルーが到着したのは緑豊かな自然が残る佐渡島。地殻変動や自然の波風が作り出した岩壁、肥沃な土壌に恵まれた大地は濃い緑に溢れている。ジオパークとして認定された島である。今年で第12回、関東甲信越のライダーに人気があるスポニチ佐渡ロングライド210。大会をサポートするのは秋吉メカ、長谷川メカ、ライダーズサポーターの伊藤、山本の4人。今年のエントリーは3779名。大会前日の陽気は快晴、気温は高い。大西洋が運ぶ風は意外にも湿っ気が少なく路面も軽い。今回、大会前日の土曜日に行われた受付では、キャノンデールライダーとメルセデスベンツの所有者を対象にした無料メカニックサービスブースを展開。メインで整備を担当するのは秋吉と長谷川の両メカニックだ。「午後15時頃がピーク…」と準備にも余念がない。



大会前日



PM12:00
黄色の発色が鮮やかなCAAD12 のVOLTカラーのユーザーがやって来た「変速を見て欲しい…」。仕事はスタートした。明日気持ちよくスタート出来るように、秋吉メカが全体調整からフレームまでを細かく拭いて行く。そうしていると次のバイクオーナーがやってくる。長谷川メカと手分けしてブースも慌ただしくなって来た。ホイールの振れ、リアエンドの変形…変速調整以外にも様々な状態のバイクが預けられて行く。サポート隊の伊藤、山本も総動員、お客さんも自分のバイクをチューンして行く様子を興味深く覗き込み、いよいよキャノンデールブースは熱気を帯びてきた。





PM 15:00
整備に並ぶバイクは見渡すに30台。人気のCAADシリーズ、SUPERSIX EVO からSYNAPSE , クロスバイクのQUICKシリーズまで勢揃い。18:00に開会式終わる迄の間に殆どの仕事を終える必要がある。普段はジョークも絶えない秋吉メカと長谷川メカも静かに作業に没頭しながらも、キャノンデールオーナーの多さに少し微笑む。「ただ今整備が完了しました!ブースまでお越し下さい!」伊藤が会場にいるオーナーに連絡をする。「今日はしっかり休んで明日は頑張って下さいネ!」と笑顔で山本が話しかけると、走る準備が整ったバイクを手にオーナーの顔も緩んだ。この仕事のやりがいがここにある。













PM19:00
大西洋に夕日は落ち、先ほど迄賑やかだった会場の人も去り佐渡の夜を静かに迎える。残り数台。残るバイクも数える程…真っ黒な手のまま汗を拭い最後の一仕事を終えると顔を見合わせて笑った。明日のスタートは午前4時!手早くブースを片付け宿に車を走らせた。







大会当日

AM 3:30
ロングライドイベントの朝は早い。外気がひんやりとした朝を迎えた。キャノンデールのバイクジャージのチャックを胸元まで引き上げると、口元も引き締まる。「皆この大会に参加する為に準備を重ねて来ている。僕らもがんばろう!」山本は伊藤と共に大会を走りながらサポーターを務める。天気は快晴、真野湾に面する佐和田には約4000人のサイクリストが集まった。



大会はスタートした!







AM 6:00
Aコースの210kmの最後尾からサポートはスタート。既に先頭は30分以上前に出発する程参加者も多い。佐渡のコースは前半70km地点と後半180kmに山岳のピークを迎える設定だ。山本の乗るバイクはレフティ付きのSLATEだ。ロードに負けない直進安定性の良さとトラブルに強いファットタイヤが彼の力強い走りを支える。伊藤のバイクはSYNAPSE Hi-MOD DISC。コンフォートな乗り味と確実なブレーキ性能が、長い時間のライディングでも集中力を支えてくれる。



スタートして15km、下りの右コーナーでパンクトラブルが発生。参加者は怪我もない様子だが立ちすくんでいる。「どうしました~!?今そこに行きますよ!」山本がパンク対応に応じる間、脇を通り過ぎて行くバイクを伊藤が回避出来る様誘導する。チューブラータイヤにトラブルがあった為、クルマで帯同している秋吉メカと長谷川メカにバトンタッチする。





重大なチェーントラブル発生



AM 7:30
25km地点。今度はチェーン回りを触りながら座り込むライダーを発見。状態を見ればリアエンドが破損している。「変速していたらチェーンが…」残る距離は190km。「まだまだギブアップするには早いですよ!」思い切ってリアディレーラーを外し、インナー×14Tにチェーンのコマを詰める。これからの行程はシングルギア。大変な挑戦になるが、参加者の男性は再スタートを出来る喜びにやる気に満ちている。「また会いましょう!」と握手して走り出した。



走り出して1時間。早朝の海岸線、襟元を抜ける潮風は涼しい。トンネルを抜けるとハンドル回りを探る女性に出会う。「ライトの留め金がとれちゃって…」ゼッケンナンバーのタイラップと手持ちのテープを組み合わせてライトを固定する。「ありがとう!」と手を振ってスタート。 走れる喜びに満ちた表情に救われる仕事。プロ時代魅せる走りに徹して来た山本が、引退して改めて走る喜びを感じる瞬間だ。残る行程は180km。プロ時代の走りを想い出したかの様に力強さも増して来た。





いよいよ目の前に現れたZ坂、身体を大きく揺らしながら多くのライダーが登って行く…。佐渡ロングライドの名物区間だ。「がんばりましょう!」参加者に声をかけながら登って行く。坂道で多いのがチェーントラブル。噛み合ないまま負荷をかけて走り続けると走れなくなるほど「あ~、もう制限時間に間に合わない…」参加者が空を見上げる中、「大丈夫、すぐに直しますから!」と励まして作業を開始する。



ロングライドイベントながら通過時間でリタイアを宣告されるのが佐渡ロングライドの厳しい関門。グループの後半戦は制限時間との戦いが始まる。









PM 12:00
大会中間地点の両津ASに到着。秋吉メカの運転するサポートカーに合流する。大会折り返し地点までのサポートの状況を確認しあう。大きなトラブルにも対応出来るサポートカーもまだパンク等の細かい対応で済んでいるようだ。取材の私はここでサポートカーに乗り込む事になった。Cコースのゴール地点でもある両津では大会を走り終える参加者と経由する参加者でごった返す。「あなたもキャノンデールですか?ゴールまで一緒に走りませんか?」ペースのあったグループ内でバイクをきっかけに仲間が増えて行く…。こんな巡り会いもロングライドの醍醐味である。







落車発生!応急処置に急ぐ





PM 14:00 両津関門から最後尾からスタートし、大会の無線を聞きながら参加者を追って走っていると左側に倒れ込む参加者が…「落車発生だ!」長谷川メカの声色が変わる。救命道具を取り出し現場へ急ぐ。前走者に接触して前に放り出されたようだ。怪我をされた女性が落ち着いている様子を確認すると、声をかけながら裂傷部位を洗い救護車を呼び出す。無事大会の救護車と合流したのを確認すると先を急いだ。



PM 15:00
小木ASの手前で伊藤と山本を発見。キャノンデールオーナーが回りを囲みグループになっているようだ。「頑張れよ~」やや疲れもみせる伊藤へエールを送りながらサポートカーは先へ進む。162km地点の小木ASに到着すると昨日最初に整備に来てくれたVOLTカラーのCAAD12のオーナーを発見。「バイク調子いいですか!?」と整備を担当した秋吉メカが笑顔で訊ねる。一人で参加していた彼に山本達が合流する事を伝えると「一緒に走ってもいいですか?」とやや疲れた顔が少し晴れた。「もちろん!みんなで頑張りましょう!」210km完走に向けて仲間はまた1人増えて行く…。
車で参加者にエールを送っていると、「僕を憶えていますか!」とダンシングをしながら笑顔で走るライダーを発見。「最初にリアディレーラーを取ったあの…」「そうです!ここまで来ました!!」と満面の笑みを魅せる。





最大の山場へ突入



後半の山場は佐渡南端部の鶴ヶ峰の山岳路。最大斜度9%の激坂がライダー達を悶絶させる。頂上付近ではバイクを押す者と渾身の力でペダルを踏むライダーでごった返す。サポートの伊藤もかなり苦しい表情で上がって来た。峠を3つ越えればゴール迄はあと僅かだが、停まって走ってを繰り返したサポートライドも楽ではないようだ。彼らを見送ると最後の峠の下りで再び落車発生。後半は集中力が落ちている事もあり落車トラブルも多いようだ。怪我は酷くない様子なので、応急処置を施す迄もなく先へ進むと山本が海岸沿いでパンクトラブルを対応している姿が見える。
疲労困憊のライダー達にはパンクも絶望的な出来事。サポートクルーの役割は後半も重要だ。





ラストスパート!最後まで気が抜けない



PM 17:00
ラスト10kmを残して再び立ちすくむ参加者が…。今回はどうやらパンクのようだ。仲間も囲んでいるが制限時間も迫り手こずっている…長谷川メカが対応に当たる。「2度のパンクでハイトの高いディープリムに対応したチューブがなくなってしまったんです」快適な機材にも難点もある。秋吉メカがロングバルブのチューブを取り出し交換する。「あと少しですよ!頑張って!」処置を終えエールを送る。 





PM 18:00目前、陽もだいぶ落ちて来た。続々とゴールを迎えるグループ…遠くから伊藤と山本を含むキャノンデールグループが帰って来た!夕陽を浴びた笑顔はとても美しく、走り切った喜びに心が躍っている!お互いを称えあうと「次も会いましょう!」と契りを交わした。





大会は終わり会場に残る人もまばらになって来た。海岸には独り静かにゴールの実感に浸るVOLTカラーのCAAD12のユーザーが立っていた。昨日最初にメカニックにバイクを持って来てくれた彼だ。「10年ツーリングを独りでしていて、今回初めてイベントに参加しました。こんなに愉しかった想いは初めてでした…」イベントとはいえ国内最長クラスの佐渡ロングライドは皆で味わう長い旅。「みんなを走り切らせたい!」キャノンデールの4人のサポートクルーはそんな彼らのドラマを支えるために走り続ける…。


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