Mona Takes Andorra
またしてもマッドコンディションをスカルペルが制す。そして、モナ自身初のエリート・ワールドカップ優勝達成.
もしかすると、モナ・ミッターウォルナーにとっては既視感のある状況だったかもしれません。標高の高い場所にあるレース会場、スタートラインで彼女を囲む優勝候補の選手たち、そしてどんよりとした雨雲。ほんの数週間前に彼女が優勝したXCマラソン世界選手権の状況と非常によく似ていました。
遂に訪れたエリート・ワールドカップ優勝のチャンス。世界各地を転戦するワールドカップシリーズは、間違いなく最も権威あるレースの一つであり、世界最高の才能が集結する場所。ワールドカップで優勝するということは、このスポーツの歴史に名を刻む、ということ。今回、初めてモナはその歴史に名を刻んだのです。しかし、ここまでの道のりは簡単ではありませんでした
スタートの号砲とともに、集団先頭での好位置をキープ。若干21歳のモナは、普段から非常に自分に厳しく、彼女の性格を端的に表すなら「忍耐」という言葉がピッタリかもしれません。そして、その「忍耐」という戦略を余すことなくレースへ投入したのです。レース序盤に爆発するパワーも心肺機能も十分でしたが、彼女の脚元を支えたのはLAB71スカルペルでした。
全5周回で行われるレースの3周目、3位をキープしていたモナは、現世界チャンピオンのポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス)を抜いて2位に浮上。そして、スイスナショナルチャンピオンのアレッサンドラ・ケラーとのマッチアップとなったのです
フィニッシュラインが近づいた頃には、ケラーに33秒もの差をつけていました。エリート・ワールドカップ優勝を目前に控えたモナは、最終コーナーで何度も後ろを振り返り、コースサイドに並んだ熱狂的なファンたちとハイタッチしながらフィニッシュ。
モナが、アンドラの頂上でワールドクラスのパフォーマンスを見せました。タフなコンディションで、タイミングよくアタックを決め、ワールドカップ初優勝を達成しました。
「ようやくすべてがひとつになった。今はそれしか頭に浮かばない。嬉しくて泣いたのか、最後の2周で感じた痛みのせいで泣いたのかは分からない。今日は本当に限界まで自分をプッシュできた。この数カ月間抱えていた悩みや、レースについて、そして痛みについていろいろ考えていた。
チーム、キャノンデール、家族、そして私を信じて応援してくれるすべての人たちに心から感謝している。」
モナ、初優勝おめでとう!