DIY Gravel with Ted King
グラベルライドのコツ:ルート、プラン、最高のバイクとは?
『Let’s Ride! The Solo DK DIY』 テッド・キングが一人でチャレンジしたとてもエピックなグラベルライド。バーモント州を端から端まで、約480km以上の冒険をたった1日で走り切ったストーリー。
ビッグライド、しかもグラベルの超ロングライドを走るには、綿密なプランが必要。さもなければ、そのチャレンジは悪夢になるだけ。出発前にしっかりとプランを立てることをお勧めします。森のなかをちょっと走るときも、長い旅に出るときも、予めプランがあれば安心です。長い旅になる場合、特に、ベストなバイク、ベストなウェア&ギア、そしてライドプランが非常に重要になります。でも、何から始めたら?と思うことでしょう。テッドは、何を準備して、どう走ったのか、そして、どう楽しんだのか 。
今回のDIYグラベルは、どうやって決めたの?
3つのことを組み合わせたんだ。一つ目は、今年始めたDIYグラベル。自分で日程と距離を決めて走るセルフチャレンジ。もともと、5月30日にダーティカンザを予定していたから(イベントキャンセル)、その日は少なくとも320kmを走りたいと考えていたんだ。2つ目は、思い出に残るエピックなライド。バーモント州の北の州境から南の州境まで、ルート100を約320km走るということ。ルート100を320km走り続けるだけ。過去にも何度か友人と一緒にこのルートの一部を走ったことはある。お互いに位置情報を共有しながら、数十キロくらい。このときも、とても面白い冒険になったね。そして3つ目は、バーモント州在住で哲学者であり、冒険サイクリスト、そしてBikepacking.comの寄稿者でもあるジョー・クルーズと友達になったこと。ちょっと前にルート100の320kmのグラベルを知っているか尋ねたことがきっかけで、ジョーはすぐにこのライドのプランを立ててくれたんだ。このユニークなDIYグラベル ダーティカンザエディションを考え始めた当初から、州の北東から南東へ向かうグラベルルートをジョーから提案されたんだ。獲得標高9,400m、しかも、500kmのうち90%がグラベル。でも、実際の獲得標高は、なんと10,300m! しかもそのグラベルもほとんどトレイルみたいな酷いもんでした(笑)
DIYグラベルDKという名前になった理由は? Ad Astraって? Ad Astra?
Ad astra per asperaはラテン語で「困難を通じて天へ」という意味。それはカンザス州のモットーでもあり、このフレーズは昔カンザスにやって来た開拓者たちの努力と苦労を表している。世界中のグラベルイベントはパンデミックの影響で、難しい状況にある。だから、このチャレンジを『Ad Astra, To the Stars』と名付けたんだ。日没までに到着しなければ、当たり前だけど星空の下を走ることになる。今回の距離を考えると、おそらく星空の下を走るだろうと思ったから、この名前がピッタリだと思ったんだ!
グラベルを走るためのバイクは世の中にたくさんあるけど、DIYグラベルDKではどのバイクに乗るつもりだったの? その理由も教えて。
正直に言うと、最初はSynapse(シナプス)がいいと思っていたんだ。Synapseがあれば十分すぎるかなとも思ってね。バーモントでは、ロードよりもグラベルが多くて、そのほとんどのグラベルはとてもスムーズだから、家の近くを走るときはいつもSynapseとSuperSix EVOのどちらかを使っている。しかも、今回は距離が500kmで、エベレストと同じ標高を上ることになるから(エベレスティング)、Synapseのスピードと快適さはピッタリだと考えたんだ。コースを引いてくれたジョーは、ところどころにクラス4の酷道があることも下調べ済み。彼はRidewithGPS®を使って、道を細かく調べて、町ごとの公式記録を研究したり、さらには、特定の場所を調べるためバーモント北部に住んでいる友人に直接ロケハンに行ってもらったりと、かなりしっかりとしたプランを作ってくれた。クラス4の酷道がそんなにないから、今回はSynapseで大丈夫かな、と思っていたんだけど、実際に走ってみたら、道は想像以上に酷かった!
業界に革命をもたらしたSlateに長い間乗ってきたと思うけど、Topstone Carbon Leftyと比べてSlateの違いって何だと思う?
Slateは、超個性的なバイクだね。650ホイールに、フロントサスペンション。この組み合わせは、本当に楽しくて、遊び心いっぱい。2015年に初めて発売されたとき、時代の最先端をゆくバイクだったね。Topstone Carbon LeftyにもSlateの影響が残っているけれど、今のTopstoneは冒険したいという現代的なリクエストに応えるように作られていると思う。フェンダー、パニア、その他のストラップも取り付けることができるから、オフロードのロングライドにもピッタリ。しかも、KingPinリアサスペンションがついているから、一日中乗っていても快適。
Topstone Carbon Leftyに乗る前は、このバイクにどんな期待を膨らませていたの?
少し乗ってみたけど、率直に言ってこんなにすごいグラベルバイクは、このライドに必要ない、とさえ思った。DIYグラベルDKの前に、近所のシングルトラックで少し乗ってみることにしたんだけど、いつもならマウンテンバイクを使うところだから、グラベルバイクで走れるなんて想像もつかなかった。でも、Leftyがついてるし思い切って行くことに決めたんだ。2人の友人は130mmトラベルのフルサスペンションバイクで、私はTopstone Carbon Lefty。本当に一緒に走れるかどうかドキドキだったのはここだけの話。オンロードも十分走れたし、速さがよく分かった。これなら、普通のロードバイクとして乗れるし、むしろTopstone Carbon Leftyの方がいろんなところで乗れる、と思ったよ。
Topstone Carbon Leftyに乗ることで、何か気になるところはあったの? その理由も教えて。
短く言えば、思っているより遥かに良かった!最初は、Leftyも、48cのタイヤクリアランスも、KingPinサスペンションも、やり過ぎかなと思っていた。長距離のライドには、軽くてスピードが出しやすいバイクが一番だと考えていたからね。でも、新しいバイクに乗ることはいつも楽しいし、少し気になることがあっても大きな問題になることはないかなと思って、Topstone Carbon Leftyに決めたんだ。
ライド中にバイクに対する期待に変化はあったの? 旅の終わりにはどう感じたの? あるいは、ライドが終わってからの変化は?
ロードバイクがベスト、と考えていたことが間違っていたことに気づかされたね。特に、前半にあったクラス4の酷道は、泥、水たまり、スリッピーなグラベルだったから、通常のロードバイクを選ばなくて本当に良かった。コースを進むにつれて、この思いはどんどん強くなっていったね。ライド後は、完全に抜け殻みたいな感じだった。人生最長距離よりもさらに160km長く、時間も10時間も長かったから、本当に疲れたよ。このバイクには本当に助けられたし、感謝している。たぶん、このバイクじゃなかったらこんな冒険はできなかったと思う。
『このバイクじゃなかったら、コースの半分は歩いたかもしれない!』
コースの路面はどんな感じだったの?
バーモント州に来たら、ぜひ案内するよ!引き締まったスムーズなグラベルから、酷道といわれる荒れ荒れのクラス4まで、何でもあり。クラス4は、整備されていないから、大小さまざまな大きさの石がゴロゴロ。車の轍もくっきり残っているし、水たまりもあるし。フラットな場所はほぼなくて、ずっと10~20%の勾配が続く道。ニューイングランドの湿った土と石が混ざり、ベタベタする道。でも、石ですごく滑りやすくなっている。泥がたっぷりで沼みたいなところもあったけど、これこそが冒険って感じがしたね。
そんな道を15時間も乗り続けたあとは、どんな感覚になるの?
あと5時間ぐらいは走れる力があったかも!こんなに長いライドをすると、もうロボットみたいになるんだよ。漕いで、漕いで、漕いで。良くも悪くも、その日の最も大事なチャレンジである3つの大きな上りが残っていたから、気を落とすこともできなくて。幸いなことに体調が悪くなることもなかったけど、もう疲労困憊だね。長距離を走ることは慣れていたけど、一週間前に、290km離れた両親の家まで走ったときも 翌日の体調は全く問題なし。でも、今回はベッドから起きることさえできなかったよ。疲労の限界をはるかに超えて、苦しかったよ。本当にワイルドだったね。でも、2日後にはもうバイクに乗ってたけどね(笑)
ライド中に感じた、バイクの良さはどこ?
クリアランスの恩恵はあった。一つだけ選ぶのは難しいけど、LeftyとKingPinには本当に助けられたと思う。ワイドタイヤも、信じられないほど役にたった。650x48cのスリックタイヤをチューブレスにして走ったんだけど、ハイスピードで走れるし、グラベルでもグリップ力抜群。SRAM Eagle AXSのワイドギアのおかげで、急な上りも簡単に対応できたしね。10-50のカセットをすべて使い切った。もし、また同じコースを走るなら、このバイクでいくね!
Topstone Carbon とTopstone Carbon Leftyを比べてみてどう思う?
Lefty付きは、本当にすごいと思うよ。Topstone Carbon でも十分に冒険ライドをこなすことができると思うけど、Leftyがあると、もっともっと多くの状況に対応できると思う。もし、どちらかを選ぶとしたら、おそらくTopstone Carbon Leftyかな。
「Topstone Carbon でも十分に冒険ライドをこなすことができると思うけど、Leftyがあると、もっともっと多くの状況に対応できると思う。」
Topstone Carbon LeftyとSuperXを比べるとどうかな?
Topstone Carbon Leftyを初めて乗ったとき、ロード、オフロード、グラベル、シングルトラックのトレイル、全部試してみたんだ。信じてもらえないかもしれないけど、このバイクなら何でもできる、と思ったんだ。ヒルクライムやダウンヒルレースで優勝するようなバイクではないけど、一日中乗って遊べる、最高に楽しいバイクだね。SuperXは、レースのために作られたバイク。SuperXはレースバイクとして優れていて、Topstone Carbon Leftyは万能性に優れているバイクだね。
Topstone Carbon Leftyに乗ったことがないライダーが誤解しそうなことは何だと思う?
たぶん、みんなは「このバイクはスピードが遅い」と思っているんじゃないかな。でも、それは間違っているね。UCIルールを下回るような6.8kg以下の超軽量バイクではないけど、フロントサスペンションがついているのにオンロードでもとても速く走れて、オフロードでは本気を出せるバイクなんだ。そんなバイク、ほかにある?
最後にTopstone Carbon Leftyを一言で表すと!
あなたの次のバイクになるはず!