Furious Georg
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数日間にわたるアタックの末、ゲオルグ・シュタインハウザーがプロキャリア初勝利! そしてこの勝利が、キャノンデールにとってジロ通算60勝目となりました。
スピードの伝統は一族に受け継がれているものです。父親は元プロライダーでグランツール出場経験もあり、叔父はあのヤン・ウルリッヒ。しかし今、ジロ第17ステージを終えて、そのレガシーは22歳のゲオルグ・シュタインハウザー自身のものとなったのです。
クイーンステージを含むここまでのステージで、シュタインハウザーは追い上げられながらも3位でゴールした日もありました。しかし、今日のステージでゲオルグ・シュタインハウザーは、マグリア・ローザのタデイ・ポガチャル(UAE・エミレーツ)を大きく引き離してフィニッシュを迎えることができました。
残り59km地点で、アマヌエル・ゲブレイグザビエル(リドル・トレック)が抜け出し、9ポイントを獲得。わずか数分後、シュタインハウザーもLAB71スーパーシックスエボで追走。峠で降った雨が下りのスピードを抑えるざるを得ない厳しいコンディションとなりました。気温が低かったこともあり、クライマーたちは13%の急勾配を含むパッソ・ブロコンへの最後の登りが始まってもハイペースをキープしました。
49km地点でシュタインハウザーがゲブレイグザビエルを捕らえ、2人の逃げ集団を形成。EFエデュケーション・イージーポストのシュタインハウザーは、サン・ボヴォ運河でポイントを獲得するために一気にギアをあげましたが、ゲブレイグザビエルは彼に追いつきました。しばらくの間、2人はパッソ・ブロコンへのアプローチにあるジェットコースターのような地形で先頭を行ったり来たりしましが、残り34kmでシュタインハウザーがついにゲブレイグザビエルを振り切ったのです。
最後の上りが平坦に変わり、コースのバリアが狭くなり、ファンが叫び、横断幕を叩き歓声が迎えました。シュタインハウザーの笑顔が輝いた瞬間です。シュタインハウザーは立ち上がり、ラインの前方で腕を上げました。立ち止まると、シュタインハウザーは笑顔のまま、チームメイトたちの腕の中に身を投げたのです。
「クイーンステージ(第15ステージ)は信じられないようなステージだった。でも、出走サインをし終えたあと、『とても脚の調子がいい! 今日は勝てるかも! 』と思ったんだ」
フィニッシュラインを通過したとき、この若きドイツ人ライダーは、2001年のプロクラスから3人目となるグランツールでの勝利と、キャノンデールにとってジロ・デ・イタリア通算60回目のステージ優勝となったのです。