Swiss Switchout
Photography By: Michele Mondini & Rob Nicholas
CFRスカルペル、世界選手権に挑む
クラン=モンタナ。世界選手権がスイスアルプスにやってきた。キャノンデール・ファクトリー・レーシング(CFR)は、開催国の文化を取り入れたフレームを展開。秩序を保ちつつも、常識を壊すキャノンデールの視点で形づくられたヘリテージ。
キャンバスは真新しく、スイスデザインが基盤を築く。グリッドが構造を形づくり、ヘルベチカが物語を語る。それぞれのバイクはその原則を堅く握りしめ。クリーンで、抑制され、そして独自性を放つ。そこにキャノンデール独自のエッセンスが加わる。ハーフトーンがカーボンの上を散りばめ、パターンは消えたり浮かび上がったり。平面だったものが奥行きを持ち、フレームは走るたびに生き生きと躍動する。
ライダーの誇りが声高に響く。ひとつのチームに、多彩な国旗。ナショナルジャージがパレットを構成し、各スカルペルはそれぞれの色で語りかける。アイデンティティが視覚化され、パフォーマンスが個性となる。
さらに非対称性がボリュームを上げる。駆動側と非駆動側で異なるリズム。バランスの取れたアンバランス。どの角度から見ても生き生きとしたフレーム。「Hello, my name is.」とラフに 刻まれたスタンプは、ピットカルチャー直系のローファイなオーラを放ち、カーボンにスプレーされ世界最高峰の舞台へ。
これはスイスのエッセンスをまとったCFR。秩序を増幅させ、静寂を受け入れる。スイスデザインの歴史を再解釈し、スピードのなかで形を変える。スカルペルはその楽器。スイスの明快さをキャノンデール流で切り取る。歴史を再び切り開くために。